大縮尻おおしくじり)” の例文
「ちょっとお誘いすりゃアよかッたんですが、うっかりひとりでかたをつけたばっかりに、また大縮尻おおしくじりをやっちまいまして……」
顎十郎捕物帳:06 三人目 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
「ヘエ——、まことに、面目次第もございません。世間並にたかが継母の細工か何かだろうと思ったのが大縮尻おおしくじりの元で——」
「オヤオヤ、そうでしたか。こいつは大縮尻おおしくじりだ。志村の奴わしに何も云わないものですから、非常に失礼しました」
白髪鬼 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
源次が谷中で殺された晩の助十郎、平馬、周吉などの動きを調べるつもりでしたが、これは平次の大縮尻おおしくじりでした。
「こいつは大縮尻おおしくじりだ。うっかりピストルを忘れていましたよ。ハハハハ」
猟奇の果 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
「とんでもない、もうすこしで取返しのつかない大縮尻おおしくじりをやらかすところよ。——岡っ引は本当に怖い。自分の腕や智恵にたよりすぎると、大変なことになる」
相変らず捕物の名人の銭形平次が、大縮尻おおしくじりをやって笹野新三郎に褒められた話。
大縮尻おおしくじりだよ、八。福島嘉平太を殺したのは、どうも岩根半蔵じゃねえ」
「親分、大縮尻おおしくじりさ。こんなヒドい目に逢ったことはねえ」
大縮尻おおしくじりだよ。でも、これでよかったのだ」