大礼たいれい)” の例文
保さんと会見してから間もなく、わたくしは大礼たいれいに参列するために京都へ立った。勤勉家の保さんは、まだわたくしが京都にいるうちに、書きものの出来たことを報じた。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
「なぜですか。私の一生に一度の大礼たいれいですばい。出てくんなさらんか。少し不人情のごたるな」
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
私が大礼たいれいに参列するために京都へ立たうとしてゐる時であつた。私の加盟してゐる某社の雑誌が来たので、忙しい中にざつと目を通した。すると仙台に高尾たかを後裔こうえいがゐると云ふ話が出てゐるのを見た。
椙原品 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)