せき夫人繁子しげこを書斎に呼びて懇々浪子の事を託したる後、同十三日大纛だいとう扈従こしょうして広島大本営におもむき、翌月さらに大山大将おおやまたいしょう山路やまじ中将と前後して遼東りょうとうに向かいぬ。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)