壬午じんご)” の例文
何故と云ふに、別本には誠範の右に「蓮譽定生大※、文政五年壬午じんご八月」があつたから、かくの如くに讀むときは、此彫文とするからである。
寿阿弥の手紙 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
「エエ、宝暦十二年、壬午じんご夏四月、山県昌謹撰とあるが、宝暦十二年は、いったい今から何年の昔になるのじゃ」
大菩薩峠:19 小名路の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
十一人中に又「貞譽誠範居士、文政五年壬午じんご五月二十日」と云ふ人がある。即ち過去帳別本に讀むべからざる記註を見る戒名である。わたくしは其「何代五郎兵衞實父」を「九代」と讀まむと欲した。
寿阿弥の手紙 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)