塗抹ぬりけし)” の例文
平常いつものごとく化粧して頬の三日月は塗抹ぬりけし居たれど、極暑の時節なりければ、絵具汗のために流れ落ちて、創のあらわれしに心着かず、大事の前に運悪くも悪人の眼に止まりたるなり。
活人形 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)