旧字:四萬六千日
十日の四万六千日しまんろくせんにちに浅草から青ほおずきを買って帰る仲の町芸妓の袂にも、夜露がしっとりと沁みるのが知れて来る。
箕輪心中 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
車で大観音の前を通りますと、四万六千日しまんろくせんにちだというのでにぎやかです。三十幾年前もこんなだったと思います。今か今かというような、兄の容体を案じながら通った時の気持が思出されます。
鴎外の思い出 (新字新仮名) / 小金井喜美子(著)