囚人輿めしゅうどごし)” の例文
「思えば、わが妻ほど、あわれなるはあるまい。つい先頃、長の旅から帰ったばかりを、また先知れぬ囚人輿めしゅうどごしの良人を見送らねばならぬ」
私本太平記:02 婆娑羅帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
下刻げこく(午前七時)に六波羅を出た二つの囚人輿めしゅうどごしは、まだ晩秋の木々や町屋の屋根の露もぬうち、はや蹴上けあげ近くにさしかかっていた。
私本太平記:02 婆娑羅帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
つい一年前には、囚人輿めしゅうどごしで隠岐ノ島へ送られた道を、この還幸となったこと。
明くれば囚人輿めしゅうどごしでの鎌倉下り。——惜しむ夜はもう更けかけていた。
私本太平記:02 婆娑羅帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)