吐瀉物としゃぶつ)” の例文
綿は彼らの周囲で、今は始末のつかぬ吐瀉物としゃぶつのように湿りながら、いたる所に塊っていた。
上海 (新字新仮名) / 横光利一(著)
岩のうえをいずりまわっていた様子で、私は、その吐瀉物としゃぶつをあとへ汚くのこして死ぬのは、なんとしても、心残りであったから、マントのそでで拭いてまわって、いつしか、私にも、薬がきいて
虚構の春 (新字新仮名) / 太宰治(著)