南風気みなみげ)” の例文
世俗の怖れる二百十日とおかの前一日、二三日来の驟雨しゅうう模様の空がその朝になって、南風気みなみげの険悪な空に変り、烈風強雨こもごも至ってひとしきり荒れ狂うていたが
死体の匂い (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
室の中には南風気みなみげの生温い熱気が籠って気味が悪かった。私はもう戸外を見るのも厭になったので、そのまま眼を閉じて前夜の酒の席のことなどを考えていた。
変災序記 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)