正徹・尭孝の歌学の対立の後、東常縁とうのつねよりが出た。東常縁は千葉介平常胤ちばのすけたいらのつねたねの子孫で、本来平氏。応永八年美濃みのに生れた。常胤の子胤頼たねより下総国香取郡東荘しもうさのくにかとりごおりとうのしょうを領してから東氏を名乗った。
中世の文学伝統 (新字新仮名) / 風巻景次郎(著)