十歳じっさい)” の例文
歳月匆々そうそう十歳じっさいに近し。われ今当時の事をかえりみればぼうとして夢の如しといはんのみ。如何いかんとなればわれまた当時の如き感情を以て物を見る事能はざればなり。物あるひは同じかるべきも心は全くしからず。
矢立のちび筆 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)