北村きたむら)” の例文
その夜八時頃になると、おせいによって巧みにも仕組まれた、死体発覚の場面が演じられ、北村きたむら家は上を下への大騒ぎとなった。
お勢登場 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
「それから北村きたむらのおかねさん、それから駄菓子屋の、何といったっけね、そうそう、おるいさん。そらね、この一町内で三人もあったじゃないか。だから、流れ月なんだよ、今月は」
毒草 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
北村きたむらさんという、二十五、六歳の、理科のことをよく知っているおじさんがすんでいて、一月ほどまえから、平野君は、その北村おじさんのうちへ、よく遊びにいくようになっていました。
宇宙怪人 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
指紋係はそういって立ち去ったが、程なく給仕がやって来て、三好憲兵曹長は捜査第一課長の室に案内され、課長の紹介で北村きたむらというその刑事に会い、韮崎の住居すまいに同行して貰うこととなった。
偉大なる夢 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)