北向道陳きたむきのどうちんなどの風とを引き合わされて数寄すきらされ、又山里にも沈香じんこうの長木を以て、四畳半と二畳敷の数寄屋を建てられ、早くもその道の面々を召してお茶を下されたり
聞書抄:第二盲目物語 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)