勿論むろん)” の例文
勿論むろん、余り開けていない、山と山との間の村の出来事であった。黒い男を殺してしまうという考えもなくなってしまった。とても、その男は殺されるものでない。
悪魔 (新字新仮名) / 小川未明(著)
その夜は非常に吹雪ふぶきのした晩であった。普通の者はとても、この広い野原を歩けない。勿論むろん道の付いている筈がなし、北西の風を真面まともに受けて、雪が目口めくちに入って一足も踏み出せるものでない。
北の冬 (新字新仮名) / 小川未明(著)