其度そのたんび)” の例文
其度そのたんび、山内は上気した小い顔を挙げて、眼を三角にして怨むが如く富江の顔を見る。『ホホヽヽ。』と、富江は面白気に笑ふ。静子と智恵子は幾度いくたびか目を見合せた。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
すると、芳ちやんは屹度怒つた様な顔をして見せるが、此時は此女の心の中で一番嬉しい時なので、又、其顔の一番滑稽おどけて見える時なのだ。が、私は直ぐ揶揄ふのが厭になつて了ふので、其度そのたんび
菊池君 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)