全然てんで)” の例文
いないとも……浮浪人狩なんか遣っているところを見ると、この事件の性質なんか全然てんで問題にしないで、見当違いの当てズッポーばっかり遣っているらしいんだね。
山羊髯編輯長 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
正月は明けましてで始まり、演説は満堂の紳士淑女諸君で始まり、手紙は拝啓陳者のぶればで始まる。しかし日記は何で始まるものか、はじめからして分らないのだから、全然てんで見当がつかない。弱っちまう。
いたずら小僧日記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)