入牢じゅうろう)” の例文
長崎奉行竹中采女うねめの馬廻り役に入込んで、自由に役所牢屋に出入することができ、大村に入牢じゅうろうしてゐたアゴスチノ会のグチエレス神父と連絡して、給金をさいて給養し、通信を運んだ。
これはずっと後で聞いた話であるが、この喜いちゃんの御父おとっさんというのは、むかし銀座の役人か何かをしていた時、贋金にせがねを造ったとかいう嫌疑けんぎを受けて、入牢じゅうろうしたまま死んでしまったのだという。
硝子戸の中 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)