先島サキジマ)” の例文
人にして、死んでにらいかないに行つて、神となつたものゝ例として遺老説伝には記してゐる。南方、先島サキジマ列島に行くと、此浄土の名をまやの国といふ。
古代生活の研究:常世の国 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
先島サキジマの中には、まやの国といふ彼岸の聖地から、まやの神及びともまやと称する神が来るとしてゐるものもあつて、此は、蒲葵クバの簑笠を被つた異形神であります。
翁の発生 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
なるこ・てるこは、北方すなはち道の島風であり、まや・いちきは南方、先島サキジマ風の呼び名である。而も更に驚くのは、やはり右の渡り神を、場合によつては、あまみ神とも言うてゐる事である。
琉球の宗教 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
大方、赤また・黒またなど言ふ先島サキジマのまれびとと、似た扮装をしたものであつたのでせう。田楽には、鬼や天狗がつきものになつてゐたらしいのですが、猿楽では、翁の柔和な姿になつてゐます。
翁の発生 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
其神の根本は、天から来る神と、海から来る神とに分つが、先島サキジマ辺りは、此分け方は、行はれて居ない。此分け方は、民間信仰に基礎を置いたものであるが、島々の見方によると、多少の相違がある。
琉球の宗教 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)