偏重へんちょう)” の例文
私は過去のみに偏重へんちょうして愛着を感じているわけでもないのですから、いずれ現代のモダン風俗を、私の個性のもつ思想や作味によって、表現してみる時期のあることを、自分で希望もし
多少穿うがち過ぎた推測かも知れないが、「他人がどう登ったから、自分はどう登る」といった競争意識、登山技術のみをもって人間の格付けをしようとする技術偏重へんちょう主義、あるいはさらに進んで
ピークハンティングに帰れ (新字新仮名) / 松濤明(著)
帷幕いばくの席順からいえば、秀吉のほうに、彼より一日の長があったが、他の宿将と同じように、光秀の心裡しんりにも、家格とか、生い立ちとか、教養とか、いうものを偏重へんちょうする考えはやはり潜在していた。
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)