倶舎くしや)” の例文
旧字:倶舍
山の背の河内の国安宿部あすかべ郡の山田谷から移つて二百年、寂しい道場に過ぎなかつた。其でも一時は倶舎くしやの寺として、栄えたこともあつたと伝へて居る。
死者の書:――初稿版―― (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
倶舎くしやだの唯識ゆいしきだの三論などゝいふ仏教哲学を一応知つたといふだけ、悟りなどゝいふ特別深遠なものはないといふ幻滅に達して、少年時代の夢を追ひ再び文学に逆戻りをした。
処女作前後の思ひ出 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)