寺島良安てらじまりょうあんの『倭漢三才図会わかんさんさいずえ』にも椿を倭字(日本字)だと書いてある。ゆえにこの椿はツバキと訓むよりほかにいいようはない。
植物一日一題 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
今から二八二年前の正徳五年(1715)に発行の『倭漢三才図会わかんさんさいずえ』に「薄皮アリテ灰白色肉白ク頗ル麦蕈ショウロニ似タリ煮テ食ウニ味淡甘ナリ」
植物一日一題 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
また『倭漢三才図会わかんさんさいずえ』に蒜すなわち小蒜をコビル、メビルとしてあるのは古名に従ったので、それはよいとして、さらにこれをニンニクとしてあるのはよろしくない。
植物一日一題 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
寺島良安の『倭漢三才図会わかんさんさいずえ』を見るとこの樹の材は最も堅硬だから扇のカナメを作る。それでカナメノキすなわち扇骨木カナメノキと云うという様に書き、彼の大槻先生の『大言海』も同様である。
植物記 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)