借家しゃっか)” の例文
枳園はこの年二月に福山を去って諸国を漫遊し、五月に東京に来て湯島切通ゆしまきりどおしの借家しゃっかに住み、同じ月の二十七日に文部省十等出仕になった。時に年六十六である。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
春泥は小説を書き始めた頃は郊外の池袋いけぶくろの小さな借家しゃっかに住んでいたが、それから文名が上り、収入が増すに従って、少しずつ手広な家へ(と云っても大抵は長屋ながやだったが)
陰獣 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)