伸子しんし)” の例文
極く天気のよい日が続いても、この空地は乾いたことがなく、黒い土がグショグショしてみえた。時折り、この空地にゴム長をはいた人がきて、伸子しんし張りをはじめる。
痀女抄録 (新字新仮名) / 矢田津世子(著)
彼女たちに会うこともなくなり、茂緒はせっせと筆耕をし、あいまには伸子しんしを出して張りものをしたりした。何か故郷に帰ったような安心と、とり残されたような寂しさがあった。
(新字新仮名) / 壺井栄(著)