伝左衛門でんざえもん)” の例文
父の伝左衛門でんざえもんは、家主になった最初の新年とて、町内を回礼せねばならなかったが、従者を雇う銭がなく、それが為めに京伝は挟箱はさみばこを肩にして父の後に従い、弟はまたその後について
曲亭馬琴 (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
いよいよ水戸浪士がその日の晩に長窪ながくぼ和田両宿へ止宿のはずだという風聞が伝えられるころには、諏訪藩の物頭ものがしら矢島伝左衛門でんざえもんが九人の従者を引き連れ和田峠御境目おさかいめ詰方つめかたとして出張した。
夜明け前:02 第一部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)