他郷者よそもの)” の例文
と思っていると、ほどなく、十日以内に他へ立ち退けと、殷直閣いんちょっかくから言って来た。もちろん、当主の皇城は一笑に附していた。「——他郷者よそものだ。わが家の来歴を知らないのも無理ではない」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
他郷者よそもの」で気心が知れないからであるが、その上、てんかん持ちの少年が、時どき、道路といわず、畑といわず、口から泡を吹いて、土の上にぶっ倒れるのも、薄気味がわるかったのである。
南方郵信 (新字新仮名) / 中村地平(著)