かえって推称し得べき正直無比なる人生記録ヒューマン・ドキュメントであったが、問題はたださえ世の中が同情と痛惜に沸き立っている真っ最中にこういう人間の真実性を伝えていいかどうかであった。
令嬢エミーラの日記 (新字新仮名) / 橘外男(著)