交渉わたり)” の例文
だから役をひいた時、知人やら親族の者が、隠居仕事を勧め、中には先方にほぼ交渉わたりをつけて物にして来てまで勧めたが、ことごとく以上の理由で拒絶してしまったのである。
二老人 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
「先刻、密使をつかわしてあるから、委細はお聞き及びの通りであるが——と申し添えて、これをお奉行の手へ届け、羅門塔十郎に交渉わたりをつけること、よろしくご配慮を仰ぐと申して、来い」
牢獄の花嫁 (新字新仮名) / 吉川英治(著)