事務室カントーラ)” の例文
毎日、事務室カントーラの青羅紗の上に、我々は六ルーブリの宿料と、一割の税とをおく。金庫をひかえて坐っているトルストフカの事務員が、一枚の受取をよこす。
モスクワ印象記 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
そのたびに事務室カントーラの前をとおりすぎた。事務室カントーラの白い戸には三越の文具部にあるインク・スタンドの通りな碧硝子のとってがついていて、執務時間第八時より第十二時。
モスクワ印象記 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
私があるいはYが、夜の第二十一時五十分になってハッと思い出し、最大速力で事務室カントーラへかけ下りるのも、それ故無理ないしだいではないか。貸室クワルティーラは一杯だ。ホテルには空いた部屋がある。
モスクワ印象記 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)