不仕合ふしあわ)” の例文
一茶は非常に細君や子供に不仕合ふしあわせの人であったのである。このさと女というのもたしか子供であったかと思う。
俳句はかく解しかく味う (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
やがての果てに彼女はクーキンの不仕合ふしあわせに心を動かされて、彼を恋してしまった。
可愛い女 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
……ほかの兄弟は皆な好きな学問をしているのに、辰さんばかりは一生こんな汚い村の先生をして暮すんだもの、可哀そうだ。お父さんが不公平だと、兄の身の上を不仕合ふしあわせな人としてあわれんだ。
入江のほとり (新字新仮名) / 正宗白鳥(著)