下野国しもつけ)” の例文
旧字:下野國
丹波篠村ほか数ヵ村は、下野国しもつけとは遠く離れているが、足利家代々相続の飛び領の地だった。同様な小領土は、他地方にもあり、ここだけではないのである。
私本太平記:01 あしかが帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「さらば、下野国しもつけからの鎌倉街道は、ほぼ一と筋、さっそくですが、これよりお迎えにてまいりまする」
私本太平記:01 あしかが帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
多分に未開な下野国しもつけ地方では、上下共に楽しみといえば自然飲み食いか男女の関係にかぎられている。筑波の歌垣うたがきに似た上代の遺風が今なお祭りの晩には行われるほどだった。
私本太平記:01 あしかが帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その後も、下野国しもつけにおける新田、足利間の小ゼリあいは、何かと、鎌倉表には聞えていた。
私本太平記:02 婆娑羅帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)