上總かずさ)” の例文
新字:上総
女護の島と言はれた市ヶ谷の上總かずさ屋に、續け樣に起つた、二つの怪事件、——エロチツクで、殘酷で、無恥で横着な事件は用心棒になつて泊つてゐた八五郎を
八五郎の報告は、上總かずさ屋の家の者には珍らしくなかつたらしく、平次もまた豫期してゐた樣子ですが、兎も角も奇怪至極で、話す八五郎が一番興奮してをります。
女や子供に怪我をさせてはつまらないと思ひまして、帳場にあつた金を五六十兩まとめてやると、上總かずさ屋の身上はこれつきりか、と相變らずニヤリニヤリして居ります。
「その上總かずさ屋の裏に建前があるでせう」