一帳場ひとちょうば)” の例文
もっとも、わざととはなしに、一帳場ひとちょうばごとに気をけたが、女の下りた様子はない。
妖術 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
そうしていつなんどき僕の最も恐れる直接の談判を、千代子に向って開かないとも限らないように、漸々ぜんぜん形勢を切迫させて来たのである。僕は思い切って、この危機を一帳場ひとちょうば先へ繰り越そうとした。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)