“やみいち”の漢字の書き方と例文
語句割合
闇市100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
無数の変り果てた顔の渦巻いていた廃墟はいきょを、無数の生存者が歩き廻った。廃墟の泥濘の上の闇市やみいちは祭日のようであった。人々はよろめきながら祭日をとり戻したのだろうか。
火の唇 (新字新仮名) / 原民喜(著)
息子は父のネクタイを闇市やみいちに持って行って金にかえてもどる。わたしはう人ごとに泣ごとを云っておどおどしていた。だがわたしは泣いてはいられなかった。泣いている暇はなかった。
鎮魂歌 (新字新仮名) / 原民喜(著)