“ふるだち”の漢字の書き方と例文
語句割合
古館100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
すぐる年には、足利高氏の一勢が、しばらく住んでいたことのある古館ふるだちだが、それは武者大勢してのことだった。いまは母一人、子一人ぼっち。
私本太平記:07 千早帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それにしろ右馬介のあらわれは、尼にも唐突に思われたし、またなんのために、この古館ふるだちをつかうのかと怪しまれたが、やがて晩にはそれも解けた。
私本太平記:07 千早帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
きいてみると、右馬介の頼みというのは、今夜、この古館ふるだちの奥を一ト晩貸してほしい、というのであった。
私本太平記:07 千早帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
が、彼はまだ一族大勢とともに、駒をつらねて、燃えさかるわが古館ふるだちとむらうごとく門前にたたずんでいた。——もうそこの炎は猫の子、鼠一匹残すまい。すべては灰だ。
私本太平記:04 帝獄帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
城といっても、やや堅固なただの古館ふるだちでしかない。
私本太平記:05 世の辻の帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)