“ばんずいいん”の漢字の書き方と例文
語句割合
幡随院100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
武家の暴慢ぼうまんと無道に対して、敢然として立った江戸の町奴。放駒はなれごま四郎兵衛や幡随院ばんずいいん長兵衛の亜流が、その頃ようやく江戸の町を我物顔に横行して、時々は眼に余る所業もするようになって居たのです。
幡随院ばんずいいん一家が出しているのが一艘に、但馬屋たじまや身内で差し立てているのが一艘。同じく江戸にひびいた口入れ稼業かぎょう加賀芳かがよし一家で見まわらしているのが一艘と、特志の土左舟はつごうその三艘でした。
「なんて事だい、」とかっぽれは噴き出して、「それじゃあ、幡随院ばんずいいん長兵衛ちょうべえなんかも自由主義者だったわけですかねえ。」
パンドラの匣 (新字新仮名) / 太宰治(著)