“はしどい”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
丁香花66.7%
紫丁香花33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
人の家の石垣越しなどに紫や白に密集かたまって咲く丁香花はしどいもさかりの時に成って来た。この好い季節は岸本の心をきかえるようにした。
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
この部屋も、あの広間と同じように、窓という窓が一ぱい開け放してあって、ポプラや紫丁香花はしどいや薔薇の匂いが馥郁ふくいくと香っていた。
接吻 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
いやいやこの薔薇やポプラや紫丁香花はしどいの匂いは庭から漂って来るのではない、ほかならぬあの婦人連のかんばせや衣裳から発するのだと、そんな風に思いなされるのだった。
接吻 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
一同はふと空気の中に、ポプラの若葉や、薔薇や、紫丁香花はしどいの匂っているのを感じた。
接吻 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
庭からは紫丁香花はしどいの匂いの流れて来るなかで、凍てがますますきびしくなって、沈みゆく太陽がその寒々さむざむとした光線で雪の平原を照らしたり
イオーヌィチ (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)