“ぬりぼね”の漢字の書き方と例文
語句割合
塗骨100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
明け放された塗骨ぬりぼねの障子からいながら見える春の善美を花籠に盛ったような奥庭の築山、泉水
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
私はその扇が母の前へ持つて来られて、開いて見せて貰ふのがどんなに楽みだつたか知れません。私は稽古朋輩ほうばいの持つて居るやうな塗骨ぬりぼねの扇が欲しいと心に願つて居たのでした。
私の生ひ立ち (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
寧子は起って、塗骨ぬりぼねの障子の腰にひざまずき、一尺ほどそこを開けた。なお春の夕ともいえぬ寒さなので、老母が襟をすくめもせんか——と、流れ入る冷えを怖れながら
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)