“あまがえる”の漢字の書き方と例文
語句割合
雨蛙100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
死ねば天堂へ行かれる、未来は雨蛙あまがえるといっしょに蓮の葉に往生ができるから、この世で善行をしようという下卑た考と一般の論法で、それよりもなお一層陋劣ろうれつな考だ。
倫敦消息 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
丘の斜面から聞えてくるウィッパーウィル(原註)の鳴く声。雨蛙あまがえるの不吉な声はあらしの前ぶれだ。ふくろうのさびしい声。突然しげみの中でがさがさいうのは、鳥がおどろいて巣から飛びたつ音だ。
朝夕の散歩に千恵子はいつもその日本アルプスの山々を眺め胸をはっているのに、ミネの方は足下の高山植物や、小さな雨蛙あまがえるが八ツ手の葉の上で昼寝している姿のおかしさばかりが目についた。
妻の座 (新字新仮名) / 壺井栄(著)