柘榴の花ざくろのはな
万物の蒼々たる中に柘榴の花のかつと赤く咲きでたのを見ると、毎年のことだが、私はいつも一種名状のしがたい感銘を覚える。近頃年齢を重ねるに従つて、草木の花といふ花、みな深紅のものに最も眼をそばだて愛着を感ずるやうに覚えるが、これはどういふ訳であ …