ヂユパンの癖とヴァンスの癖ヂユパンのくせとヴァンスのくせ
デュパンという男は申すまでもなくポーの小説に出てくる探偵である。もっともこの探偵の出てくる小説は、「モルグ街の殺人」と「盗まれた書類」と「マリー・ロジェ奇談」とこの三つしかない。探偵小説には必ず探偵が必要であるというヴァン・ダインの筆法から …