トップ
>
海内
>
かいだい
ふりがな文庫
“
海内
(
かいだい
)” の例文
もっとも海外に限らず
海内
(
かいだい
)
にも多少の同情を寄せらるる人少なからぬが、その多くは官吏で飯の懸念から十分に加勢もしてくれず。
十二支考:05 馬に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
養成した当時には、養成すべき理由がありました、そのいわゆる八万騎によって
海内
(
かいだい
)
を平定して、三百年来の泰平を開いたのです
大菩薩峠:38 農奴の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
それ
海内
(
かいだい
)
の文章は
布衣
(
ほい
)
に落ち、布衣の文章は復古的、革命的思想を
鼓吹
(
こすい
)
す。彼らのある者は
自
(
みず
)
からその然るを覚えずして然りしものあらん。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
京子
(
けいし
)
浪華
(
なには
)
の
地
(
ち
)
、
古
(
いにしへ
)
より芸園に名高きもの輩出し、
海内
(
かいだい
)
に聞ゆるものありといへども、その該博精通、蒹葭堂の如きもの少し。
僻見
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「そちは剣道では
海内
(
かいだい
)
無双、そこまで行けばなるほどのう、それほどのこと解るであろう。……戸ヶ崎、襖をあけてみよ」
血煙天明陣
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
▼ もっと見る
親父も喜んで
私
(
わし
)
に話す元來御目附といへば天下の樞機に
與
(
あづか
)
る人。其人の
家
(
うち
)
に
居
(
を
)
れば自然
海内
(
かいだい
)
の形勢も分かるであらう。
兵馬倥偬の人
(旧字旧仮名)
/
塚原渋柿園
、
塚原蓼洲
(著)
ケダシ
士君子
(
しくんし
)
万巻
(
ばんかん
)
ヲ読破スルモマタ
須
(
すべか
)
ラク廟堂ニ登リ
山川
(
さんせん
)
ヲ
看
(
み
)
交
(
まじわり
)
ヲ
海内
(
かいだい
)
名流ニ結ブベシ。然ル後
気局
(
ききょく
)
見解自然ニ
濶大
(
かつだい
)
ス、良友ノ
琢磨
(
たくま
)
ハ自然ニ
精進
(
せいしん
)
ス。
小説作法
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
江戸八百万石の御威勢、
海内
(
かいだい
)
に
普
(
あまね
)
しと雖も、ひとねじりねじ切ってつかわせと言うような茶道の隠語は今が最初です。
旗本退屈男:05 第五話 三河に現れた退屈男
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
さりながら
実家
(
さと
)
にては、父中将の名声
海内
(
かいだい
)
に
噪
(
さわ
)
ぎ、今は予備におれど交際広く、
昇日
(
のぼるひ
)
の勢いさかんなるに引きかえて、こなたは武男の父通武が没後は
小説 不如帰
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
そこで天下の窯器を論ずる者は、唐氏凝菴の定鼎を以て、
海内
(
かいだい
)
第一、天下一品とすることに
定
(
き
)
まってしまった。
骨董
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
「
唯今
(
ただいま
)
、思ひつきました。此には
海内
(
かいだい
)
第一のお関所がござります。拙者
券
(
てがた
)
を持ちませぬ。夜あけを待ちましても同じ儀ゆゑに……ハタと当惑を
仕
(
つかまつ
)
ります。」
妖魔の辻占
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
当主の大膳亮は大の愛刀家——というより
溺刀
(
できとう
)
の組で、金に飽かして
海内
(
かいだい
)
の名刀
稀剣
(
きけん
)
が数多くあつまっているなかに、玉に
瑕
(
きず
)
とでも言いたいのは、ただ一つ
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
当代、
海内
(
かいだい
)
に弓取多しといえども、信長様ほどな人物はありません。
釈迦
(
しゃか
)
に説法ですが、あなただって、今の時勢が、このままでいるとはお思いになりますまい。
新書太閤記:03 第三分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
彼が、息子に施した最大の教育は、諸学の伝授を終えてのちに、
海内
(
かいだい
)
の大旅行をさせたことであった。
李陵
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
木の根岩角に手をかけ、足を踏みしめて、ようよう
飛沫
(
ひまつ
)
雨のごとき中に下り立ちて、巨巌の上へ登り、
海内
(
かいだい
)
無双の大瀑布、華厳の雄姿を眺めた時には思わず
快哉三呼
(
かいさいさんこ
)
。
本州横断 痛快徒歩旅行
(新字新仮名)
/
押川春浪
、
井沢衣水
(著)
さすがに百戦練磨、
海内
(
かいだい
)
一の称を得た精兵で、友軍の屍体を踏み越え、六番手まで繰りだして第一柵、第二柵まで奮進したが、悉く倒れ、射ちまくられて敗走せざるを得なかつた。
鉄砲
(新字旧仮名)
/
坂口安吾
(著)
立
(
たて
)
後世迄も
美名
(
びめい
)
を
海内
(
かいだい
)
に
輝
(
かゞや
)
かし子孫の
繁榮
(
はんえい
)
を
遺
(
のこ
)
すは
最
(
いと
)
有難
(
ありがた
)
き事共なり
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
幸田露伴氏は、
魚釣
(
うをつり
)
にかけては
海内
(
かいだい
)
第一を以て自任してゐる人である。尤も露伴氏の言葉に従ふと、
魚釣
(
うをつり
)
も上手になると、すべて専門的になるもので、氏は今では鱸の外は滅多に釣らうとはしない。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
文字摺石
(
もじずりいし
)
、岩屋観音にも詣で参るべく、須賀川は牡丹園として
海内
(
かいだい
)
屈指と聞けど、今は花の頃にあらず、さりながら
大菩薩峠:32 弁信の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
一は、いま
海内
(
かいだい
)
にときめく江戸南町奉行大岡越前守忠相。他は、酒と心中しよか五千石取ろかなんの五千石……とでも言いたい、三
界
(
がい
)
無宿
(
むしゅく
)
、天下の乞食先生蒲生泰軒。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
相ついで
海内
(
かいだい
)
の注意一に朝鮮問題に集まれる
今日
(
きょう
)
このごろは、主人中将も予備にこそおれおのずから事多くして、またかの英文読本を手にするの
暇
(
いとま
)
あるべくも思われず。
小説 不如帰
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
生産すなわち武備、武備すなわち生産にして、かかる実例はかの
頼襄
(
らいじょう
)
が、わが朝の初めて国を建つるや、政体簡易、文武一途、
海内
(
かいだい
)
を挙げてみな兵なり。しかして天子これが元帥たり。
将来の日本:04 将来の日本
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
諸国の地理水利を
測
(
はか
)
り、土民の人情や気風をおぼえ、領主と民のあいだがどう行っているか、城下から城内の奥まで見きわめる用意をもって、
海内
(
かいだい
)
隈
(
くま
)
なく脚で踏んで心で
観
(
み
)
て歩くのが
宮本武蔵:03 水の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
当時の徳川氏は微々たるもの、
海内
(
かいだい
)
随一の称を得た甲州の大軍をまともに受けて勝つ自信は鼻柱の強い三河武士にも全くない。家康の好戦的な家臣達に唯一人の主戦論者もなかつたのだ。
黒田如水
(新字旧仮名)
/
坂口安吾
(著)
其
(
その
)
大旨、義理の正に
拠
(
よ
)
って、情勢の
帰
(
き
)
を
斥
(
しりぞ
)
け、王道を
尚
(
たっと
)
び、覇略を卑み、天下を全有して、
海内
(
かいだい
)
に号令する者と
雖
(
いえど
)
も、
其
(
その
)
道に
於
(
おい
)
てせざる者は、
目
(
もく
)
して、正統の君主とすべからずとするに
在
(
あ
)
り。
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
この話の
海内
(
かいだい
)
に広く行き渡れるを知った。
十二支考:07 猴に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
余、当時
汎瀾
(
はんらん
)
トシテ之ヲ聞キ未ダソノ意ヲ得ズ、爾後十余年、
海内
(
かいだい
)
ニ周遊シテ斯ノ技ヲ試ミ、初メテ栄辱悲歎ノ心、診察吐下ノ機ヲ妨グルコトヲ知ル——
大菩薩峠:26 めいろの巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
当時の徳川氏は微々たるもの、
海内
(
かいだい
)
随一の称を得た甲州の大軍をまともに受けて勝つ自信は鼻柱の強い三河武士にも全くない。家康の好戦的な家臣達に唯一人の主戦論者もなかつたのだ。
二流の人
(新字旧仮名)
/
坂口安吾
(著)
その黄金さえ掘り出せば、日光御修繕なんか毎年引き受けたってお茶の子サイサイ、柳生の里は貧乏どころか西国一はもちろん、ことによると
海内
(
かいだい
)
無双の富裕な家になるやも知れない——。
丹下左膳:02 こけ猿の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
前回かりに
壮夫
(
わかもの
)
といえるは、海軍少尉
男爵
(
だんしゃく
)
川島武男
(
かわしまたけお
)
と呼ばれ、このたび良媒ありて陸軍中将子爵
片岡毅
(
かたおかき
)
とて名は
海内
(
かいだい
)
に震える将軍の長女
浪子
(
なみこ
)
とめでたく
合卺
(
ごうきん
)
の式を
挙
(
あ
)
げしは、つい先月の事にて
小説 不如帰
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
よい
伜
(
せがれ
)
をもち、日本一の幸せ者ぞと仰せ遊ばし、またわたくしへも、筑前ほどな男は、
海内
(
かいだい
)
幾人もおるまい、よい良人を選び当て、そもじも眼が高いことよ——などとお
戯
(
たわむ
)
れも仰っしゃいました
新書太閤記:04 第四分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
然し孫氏旧蔵の白定窯鼎が来るに及んで、諸の
窯器
(
えうき
)
は皆其の光輝を失つたほどであつた。そこで天下の窯器を論ずる者は、唐氏凝菴の定鼎を以て、
海内
(
かいだい
)
第一、天下一品とすることに定まつてしまつた。
骨董
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
「山陽は
足跡
(
そくせき
)
海内
(
かいだい
)
にあまねしとか、半ばすとか自慢をしていますが、この辺までは来たことはないでしょう」
大菩薩峠:23 他生の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
筑後
(
ちくご
)
柳河
(
やながわ
)
の人で
南紀理介
(
なんきりすけ
)
、槍術では
海内
(
かいだい
)
無双
(
むそう
)
という聞えがあった。
剣の四君子:04 高橋泥舟
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「おおっ! 馬を彫らせては、
海内
(
かいだい
)
随一の名ある
作阿弥殿
(
さくあみどの
)
——」
丹下左膳:02 こけ猿の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
高橋伊勢守は後の
泥舟翁
(
でいしゅうおう
)
、
槍
(
やり
)
を取っては当時
海内
(
かいだい
)
の
随一人
(
ずいいちにん
)
。
大菩薩峠:01 甲源一刀流の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
“海内”の意味
《名詞》
四海の内側。国内。天下。
(出典:Wiktionary)
海
常用漢字
小2
部首:⽔
9画
内
常用漢字
小2
部首:⼌
4画
“海内”で始まる語句
海内偉帖
海内無
海内無二
海内無双