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十六夜
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いざよひ
ふりがな文庫
“
十六夜
(
いざよひ
)” の例文
さうすると姫は孔雀の
羅衣
(
うすごろも
)
を涙のやうにふるはしてやうやく顔を上げました。その眼は春雨にうたれた
十六夜
(
いざよひ
)
の月のやうに美しく悲し気に光つて居りました。
嘆きの孔雀
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
〽しばし
彳
(
たゝず
)
む
上手
(
うはて
)
より
梅見返
(
うめみがへ
)
りの舟の
唄
(
うた
)
。〽忍ぶなら/\
闇
(
やみ
)
の
夜
(
よ
)
は置かしやんせ、月に雲のさはりなく、
辛気
(
しんき
)
待つ
宵
(
よひ
)
、
十六夜
(
いざよひ
)
の、
内
(
うち
)
の
首尾
(
しゆび
)
はエーよいとのよいとの。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
小唄か何か
口吟
(
くちずさ
)
み
乍
(
なが
)
ら、
十六夜
(
いざよひ
)
の月明りにすかして、何の氣もなくヒヨイと見ると、十間ばかり先に、
欄干
(
らんかん
)
へ片足を掛けて、川へ飛込まうとして居る人間があります。
銭形平次捕物控:002 振袖源太
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「
十六夜
(
いざよひ
)
日記
(
につき
)
」の女詩人は、河畔に立つて
西行
(
さいぎやう
)
法師
(
ほふし
)
の昔をしのび、「
光行紀行
(
みつゆききこう
)
」の作者は、川が深く、流れがおそろしく、水がみなぎつて、
水屑
(
みくず
)
となる人の多いのにおびえてゐる。
天竜川
(新字旧仮名)
/
小島烏水
(著)
その
翌日
(
よくじつ
)
——
十六夜
(
いざよひ
)
にも、また
晩方
(
ばんがた
)
強震
(
きやうしん
)
があつた——おびえながら、この
記
(
き
)
をつゞる。
十六夜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
▼ もっと見る
秋はいまさなかとぞ思ふ向つ岡月
明
(
あか
)
うしてこの夜
十六夜
(
いざよひ
)
白南風
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
枯
(
か
)
れた
樹木
(
じゆもく
)
、
乾
(
かわ
)
いた
石垣
(
いしがき
)
、
汚
(
よご
)
れた
瓦屋根
(
かはらやね
)
、目に
入
(
い
)
るものは
尽
(
こと/″\
)
く
褪
(
あ
)
せた寒い色をして
居
(
ゐ
)
るので、
芝居
(
しばゐ
)
を出てから一
瞬間
(
しゆんかん
)
とても
消失
(
きえう
)
せない
清心
(
せいしん
)
と
十六夜
(
いざよひ
)
の
華美
(
はで
)
やかな
姿
(
すがた
)
の
記憶
(
きおく
)
が
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
秋はいまさなかとぞ思ふ向つ岡月
明
(
あか
)
うしてこの夜
十六夜
(
いざよひ
)
白南風
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
垂りくらき孟宗の
上
(
へ
)
に在る月の
十六夜
(
いざよひ
)
の光風にはららく
白南風
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
「
十六夜
(
いざよひ
)
か。」
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
垂りくらき孟宗の
上
(
へ
)
に在る月の
十六夜
(
いざよひ
)
の光風にはららく
白南風
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
十六夜
(
いざよひ
)
や月夜高きを濃き霧の煙幕の幅引きにつつあり
白南風
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
十六夜
(
いざよひ
)
や月夜高きを濃き霧の煙幕の幅引きにつつあり
白南風
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
十
常用漢字
小1
部首:⼗
2画
六
常用漢字
小1
部首:⼋
4画
夜
常用漢字
小2
部首:⼣
8画
“十六夜”で始まる語句
十六夜日記
十六夜薔薇
十六夜清心