“羅衣”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
うすもの77.4%
うすぎぬ9.7%
うすごろも3.2%
らい3.2%
ウスギヌ3.2%
ライ3.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
雪の羅衣うすものに、霞の風帯ふうたい、髪には珊瑚さんご簪花さんかいと愛くるしく、桜桃おうとうに似るくちらんまぶた。いや蘭の葉そのものの如きしなやかな手ぶり足ぶり。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
白い羅衣うすぎぬをまとひ白百合の造花を胸につけ雛芥子の花で飾つたボンネツトを被つたあの夜のまゝの彼女は、月の光りに酔ひ痴れたやうな放心状態のまゝ
女優 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
さうすると姫は孔雀の羅衣うすごろもを涙のやうにふるはしてやうやく顔を上げました。その眼は春雨にうたれた十六夜いざよひの月のやうに美しく悲し気に光つて居りました。
嘆きの孔雀 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
丸い肩から流れる線の末端を留めて花弁をそろへたやうな——それも自然に薄紅の肉色を思はせる指、なよやかな下半身に打ちなびく羅衣らいひだ
老主の一時期 (新字旧仮名) / 岡本かの子(著)
さういふ景色と一つに、模糊とした羅衣ウスギヌをかづいた記憶のうちに、父の姿の見えなくなつた、夜の有様も交つてゐた。
身毒丸 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
故ニ都ヲ銀坑洞ト称シ、南蛮王ノ巣トシ、宮殿楼閣コトゴトク銀映緑彩リョクサイ、人ハミナ羅衣ライニシテ烈朱レッシュ臙脂エンジ濃紫ノウシ黄藍オウランヒルガエシ、又好ンデ、橄欖ノ実ヲ噛ミ、酒壺シュコ常ニ麦醸果酵バクジョウカコウタクワウ。
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)