“風花”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
かざはな71.4%
かざばな28.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
あまりの寒さが、風花かざはな落ちかかる夜更けの街から街を慄えていく寒念仏の辛い境涯が、そのまましきりにいま自分の上にあてはめて考えられてきた。いつかお経は上の空になった。
小説 円朝 (新字新仮名) / 正岡容(著)
夜は晩くまで納屋なやもみずりの響がする。突然だしぬけにざあと時雨しぐれが来る。はら/\とひさしをうってあられが来る。ちら/\と風花かざはなが降る。北からこがらしが吹いて来て、落葉した村の木立を騒々しく鳴らす。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
風花かざばなの空にちて、日和ひよりうららよとの。遠山は霜月祭、新野にひのにては睦月むつき西浦にしうれ田楽でんがく北設楽きたしだらは花祭とよの。さてもめでたや、雪祭のとりどり。
黒檜 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
しかし、そこまでを見とどけたのは、先駆の物見隊だけで、尊氏の本隊は、なお地蔵堂のあたりにとどまり、吹きすさぶ風花かざばなまじりの山颪やまおろしの下にその晩は夜営していた。
私本太平記:10 風花帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)