雲南うんなん)” の例文
すなわ曹国公そうこくこう李景隆りけいりゅうに命じ、兵を調してにわかに河南に至り、周王しゅく及び世子せいし妃嬪ひひんとらえ、爵を削りて庶人しょじんとなし、これ雲南うんなんうつしぬ。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
一九四〇年……つて雲烟万里うんえんばんりの秘境として何者の侵攻も許さなかった雲南うんなん府も、不安と焦燥のうちにその年を越そうとしていた。
雲南守備兵 (新字新仮名) / 木村荘十(著)
以前は雲南うんなんの商人などはチベットから沢山その麝香を買出したものですが、インドの方へ吐口はけぐちが多くなってからして値段が大変高くなりましたので
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
しかし彼女は未見の人ではなく、李公がかつ雲南うんなんに在ったときに雇い入れた奉公人であった。
先ず、支那の奥地の四川しせん省から雲南うんなん貴州きしゅうへかけて住んでいる大富豪の中で、お茶の風味がよくわかって、茶器とか、茶室とかの趣味にり固まった人間が居るとしますかね。
狂人は笑う (新字新仮名) / 夢野久作(著)
ことに折竹は、西南奥支那の Hsifan territoryシフアン・テリトリー——すなわち、北雲南うんなん、奥四川しせん青海せいかい、北チベットにまたがる、「西域夷蛮地帯シフアン・テリトリー」通として至宝視されている男だ。
人外魔境:03 天母峰 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
ただお転婆てんばの嫁と馬鹿な悴とが毎日ふざけているということが解った。隣家について詮議をしても他に違ったことをいう者がなかった。そこで裁判が決定して、王給諌は雲南うんなん軍にやられた。
小翠 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
爾時そのとき二十四樹変じて、二十四億の鶏鳥、金の嘴、七宝の羽翼なるを生ずという。これもインドで古く金宝もて鶏の像を造る習俗があったらしい。『大清一統志』三〇五、雲南うんなんに、金馬、碧鶏二山あり。
雲南うんなん貴州きしゅうは交通があまりに不便で、どんな風だか解らん……
幸福な家庭 (新字新仮名) / 魯迅(著)
雲南うんなん瀘水ろすいあり
大菩薩峠:26 めいろの巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
後又、北はさいを出でゝ元の遺族を破り、南は雲南うんなんを征して蛮を平らげ、あるい陝西せんせいに、或はしょくに、旗幟きしの向う所、つねに功を成す。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
「まあ、夜はこの通りですから大丈夫でしょうが……雲南うんなん府はまるで死の街だというし、蒙自もうじも大分やられてますからな」
雲南守備兵 (新字新仮名) / 木村荘十(著)
永楽えいらく元年、帝雲南うんなん永嘉寺えいかじとどまりたもう。二年、雲南をで、重慶じゅうけいより襄陽じょうよういたり、また東して、史彬しひんの家に至りたもう。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
この雲南うんなん錫鉱有限公司こうしの鉱山では、春生しゅんせい戦慄せんりつして語ったように、統計によっても、確かに一年間六十パーセントの児童坑夫が居なくなるのだった。
雲南守備兵 (新字新仮名) / 木村荘十(著)