さく)” の例文
昼間の程はつとめてこもりゐしかの両個ふたりの、夜に入りて後打連うちつれて入浴せるを伺ひ知りし貫一は、例のますます人目をさくるならんよとおもへり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
○英国王、其国法ヲ会議スル場所ヲ不都合ナル遠地ニ設ケテ人民ノ議論ヲさくルハ、人ヲシテ奔走ニ疲レ余議ナク其法ニ従ハシメント欲スルナリ。
○法性坊尊意そんい叡山えいざんに在し時 菅神の幽灵いうれい来り我冤謫むしつのながされ夙懟ふるきうらみむくはんとす、願くは師の道力をもつてこばむことなかれ。尊意曰、卒土そつとは皆王民なり、我もし みかどみことのりをうけ玉はらばさくるに所なし。
天のせるわざはひは猶去可し自からせる禍ひはさく可からずとは雖も爰に寶永はうえい七年九月廿一日北の町奉行中山出雲守殿いづものかみどのの掛りにて奸賊かんぞく村井長庵が惡計に陷入おちいり遂にはむじつ横難わうなんに罹り入牢じゆらうし果は牢死らうしに及びぬる彼道十郎はもと吉良家きらけ藩士はんしなる岩瀬舍人いはせとねりとて御近習へ出仕し天晴武文も心懸有し者なりしが不※した事の譯柄わけがらにて今は浪人となり
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
し吾が直行の行ふところをもてとがむべしと為さば、誰か有りてとがめられざらん、しかもなほはなはだしきを為して天も憎まず、命もうすんぜず、応報もこれをさくるもの有るを見るにあらずや。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
○法性坊尊意そんい叡山えいざんに在し時 菅神の幽灵いうれい来り我冤謫むしつのながされ夙懟ふるきうらみむくはんとす、願くは師の道力をもつてこばむことなかれ。尊意曰、卒土そつとは皆王民なり、我もし みかどみことのりをうけ玉はらばさくるに所なし。
こは何事とおどろける貫一は、身をさくいとまもあらず三つ四つ撃れしが、つひに取つて抑へて両手を働かせじと為れば、内俯うつぷしに引据ゑられたる満枝は、物をも言はで彼のももあたり咬付かみついたり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)