連綿れんめん)” の例文
井戸の家の血統が今なお連綿れんめんとしているのは、自害したおっ母さんのお蔭だといって、その命日には欠かさずに墓参りをしています。
経帷子の秘密 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
原士の中に七家の切支丹族が今日まで連綿れんめんとしてきて、しかも、秘密に信仰を保ってこられたのは、ひとつの奇蹟と申されます。
鳴門秘帖:06 鳴門の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
連綿れんめんとして二千幾百年、不純の物を一ごうもまじえず、今日に及んだものでござって、かくのごときは世界万国、いずこにも見られざる国の姿でござって、たっとむべくあがむべく誇るべき
娘煙術師 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
うらゝかに、かぜきよ甲板かんぱんで、大佐たいさや、濱島はまじまや、春枝夫人はるえふじんや、轟大尉とゞろきたいゐや、其他そのた乘組のりくみ士官しくわん水兵等すいへいら相手あひてに、わたくし小説せうせつにもたる經歴談けいれきだんは、印度洋インドやうなみのごとく連綿れんめんとしてくるときもなかつた。
賜り其子孫徳川氏の末まで連綿れんめん繁昌はんじやうせり或人の歌に
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
そのためついに“皇統の連綿れんめん”も“万世一系ばんせいいっけい”も乱脈のそうきたして、南朝北朝、しのぎをけずる国内の大分裂を招来するにもいたったのである。
私本太平記:03 みなかみ帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
天子御一人のほかは、何者といえ、天子の親政を補佐たすけるものにすぎないと、連綿れんめん、さだめられて来た国家である。
私本太平記:02 婆娑羅帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)