車麩くるまぶ)” の例文
みぎ車麩くるまぶのあるのをつけて、おかみさんと馴染なじみだから、家内かないたのんで、ひとかゞり無理むりゆづつてもらつたので——少々せう/\おかゝをおごつてた。
間引菜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
現代——ある意味において——めぐる因果の小車おぐるまなどという事は、天井裏の車麩くるまぶを鼠が伝うぐらいなものであろう。
古狢 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
うつははたとへ、ふたなしの錻力ブリキで、石炭せきたんくささいが、車麩くるまぶたの三切みきれにして、「おいた。まだ、そつちにもか——そらた。」で、帆木綿ほもめんまくしたに、ごろ/\した連中れんぢうくばつたにせよ。
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
けれども、淡泊たんぱくで、無難ぶなんで、第一だいいち儉約けんやくで、君子くんしふものだ、わたしすきだ。がふまでもなく、それどころか、椎茸しひたけ湯皮ゆばもない。金魚麩きんぎよぶさへないものを、ちつとはましな、車麩くるまぶ猶更なほさらであつた。
間引菜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
……車麩くるまぶだつてさ……つてたよ。あの、ばうのおにはへ。——やまのね、やまのまはりを引張ひつぱるの。……くるま眞似まねだか、あの、オートバイだか、電車でんしや眞似まねだか、ガツタン、ガツタン、がう……
間引菜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
車麩くるまぶの鼠におびえた様子では、同行を否定されそうな形勢だった処から
古狢 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)