踏返ふみかへ)” の例文
醫學生いがくせい肌脱はだぬぎで、うつむけにて、踏返ふみかへした夜具やぐうへへ、兩足りやうあし投懸なげかけてねむつてる。
星あかり (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
立ち出て東の空へぞ旅立たびだちけり時に享保三年九月十日の事なりあしまかせて行けるに十日の月さし出つゝくれ宿やどなき一人たびしきりに急ぎ歩行あるきし所にぴかりとひかる物あり足にて踏返ふみかへせしに女のくしなりければ何方の人がおとせしやらんと手にかざし見れば鼈甲べつかふいとふるびたるにても三ツ四ツかけたり是を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
穿物はきものゆるんでたので踏返ふみかへしてばつたりよこころぶと姿すがたみだれる。
迷子 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)