買出かひだ)” の例文
どういふわけかといふと、其頃そのころわたくし怪談くわいだんの話の種子たねを調べようと思つて、方々はう/″\つて怪談くわいだん種子たね買出かひだしたとふのは、わたくしうちに百幅幽霊ぷくいうれい掛物かけものがあるから
塩原多助旅日記 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
すぐ翌日よくじつであつた。がこれちつ時間じかんおそい。女中ぢよちうばん買出かひだしに出掛でかけたのだから四時頃よじごろで——しかし眞夏まなつことゆゑ、片蔭かたかげ出來できたばかり、日盛ひざかりとつてもい。
番茶話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
あきつらし九ぐわつすゑにはかにかぜにしむといふあさ神田かんだ買出かひだしのまでかつぎれるとそのまゝ、發熱ほつねつにつゞいて骨病ほねやみのいでしやら、三つきごしの今日けふまであきなひはさらなること
大つごもり (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
かくこまかいあきなひをして二しゆか三しゆ裏店うらだなすまつて、一生懸命しやうけんめいかせぎ、朝は暗いうちからあきなひにくれてからかへつてるやうにし、よる翌日あした買出かひだしに出る支度したくをし
塩原多助旅日記 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
ところで、その、お差支さしつかへのなさをうらがきするため、かね知合しりあひではあるし、綴蓋とぢぶた喜多きた家内かないが、をりからきれめの鰹節かつをぶしにんべん買出かひだしにくついでに、そのねえさんのうち立寄たちよつて、同行三人どうかうさんにん日取ひどりをきめた。
雨ふり (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)